太陽の神殿
“
生命の樹
”
は、神話や宗教的シンボルとして世界各地で顕わされ、その存在を確かなものとしてきました。アダムとイヴのエデンの園・聖ヨハネの黙示録・エジプト神話・インドの聖典ヴェーダ&ウパニッシャド・インディアンの逸話・カバラのセフィロト・釈迦の菩提樹・仏教の宇宙樹・ペルシャの神秘の樹・イスラム教の天上の樹・ジャワの願いの樹など、様々な樹々の姿に変容させがら、久遠の時を越えて現代にまで光り輝き続けています。つまり、それらは私達の内に息づく生命の象徴(シンボル)であり、生命の力・聖なる力・大いなる力・愛の力・覚醒させる力・意識の階梯・生命の賛歌・人と神との融合などを示し、私達一人ひとりの魂を進化させながら、やがては大いなる存在・無限なる存在へと向わせる深遠なる叡智といえます。
生命の飛躍
Created by Masaki
また
“
生命の樹
”
は、日常意識とは異なる変性意識状態や夢などの中にもしばしば顕われ、この世の不可思議さや生命の神秘などを私達に伝えようと試みるのです。私達は、
“
生命の樹
”
を通して、この宇宙の根源的なもの、深遠にして本質的なものを把握したいと常に願っているのです。
STORY1.
アメリカインディアン・スー族 ブラック・エルクの言葉
私が聖なる方法によりあらゆるものを霊的に見ていた時である。周りで一番高い山に立ち、足元を見ると世界が輪のようにぐるぐると回りながら、形あるものすべてが結びついてる光景を目にした。そこでは、一人ひとりが創る聖なる輪も多くの輪の一つにすぎず、それらすべては繋がりを保ちながら、さらに大きな円を形成し、太陽や星の光の様に輝きながらあたりを照らしていた。その中心には、一本の大きな花咲く樹木が存在していた。その樹には、ひとりの父とひとりの母によって生み出された、この世のすべての子供達を見守る姿があった。私はそこに聖なるものを見たのである。
古代の叡智
STORY2.
エデンの園 生命の樹と知恵の樹
創世記によると、エデンの園には、永遠の生命が与えられる生命の樹と善悪を知る知恵の樹が立っていました。神はアダムとイヴに知恵の樹の果実を食べる事を禁じましたが、ある時、蛇がイヴを誘惑し、果実を食べてしまい、アダムもイヴに薦められ食べてしまいました。神との約束を破った二人は、エデンの園から追放され、これからは苦しみを背負いながら、額に汗して働くようにと呪をかけられてしまいます。堕落以降は、知恵の樹の甘くて苦い果実を味わい続けるのですが、アダムとイヴを楽園から追放し、無垢で純粋な夢から目覚めさせ、罪と苦悩に満ちた世界を歩かせたのは、実は神の化身である子キリスト自身なのです。そして、アダムとイヴを目覚めさせ導いたのは、生命の樹の中心に描かれる蛇の力であり、善悪を知る知恵と生命の力でした。この神話は、本来の自己を実現するため、夢見る汚れなき状態に別れを告げ、不安と怖れに立ち向かいながら、完全なるものへと導かれていく魂の旅のプロセスを顕わしているといえます。
STORY3.
ユダヤ神秘思想・カバラ 生命の樹「セフィロト」
ユダヤの神秘思想であり最高の叡智とされるカバラでは、超越的な神の世界と人間の世界の構造を、生命の樹「セフィロト」という一本の樹に精密に示しながら、私達が深遠なる神へ至るプロセスを象徴的な要素と通過儀礼(イニシエーション)的な体系として、この世に樹立させて来ました。最古のカバラ文献「バヒールの書」によると“あらゆる神の力は一連の取り木で繁殖を重ねる一本の樹木の様なものである。”と説かれ、「光輝の書・ゾハール」では“いまや生命の樹は上より下に伸びゆく、それはすべてを照らす太陽のような存在である。”そして“すべての自然万物はこの生命の樹を頼りに存在する。”と説かれています。神は自らの姿を見ようと欲した時、最初に「セフィロト」という10個の光輝を放射し、この宇宙を創造されたといわれています。「セフィロト」は、神の諸力とも、神の器とも、神の輝ける衣ともいわれ、深遠なる神の属性を顕わしています。
月の神殿
地球の楽園
STORY4.
エジプト 無花果(いちじく)の樹
古代エジプトでは、生命の樹をいちじくに例えることが多く、いちじくは「無花果」と漢字で表わすように、花を咲かせないのに実がなるというところから、無から何かを生み出していく生産力・生命力の力強さの象徴とされて来ました。生命の樹が持つミルクの様な乳状の樹液からは、ある時は母のイメージと結びつき、豊穣の女神として崇められ、また、ある時は男性の精液のイメージと結びつき、不妊の女性を癒し、受胎させる働きがある精力として顕わされてきました。つまり、生命・誕生・死・再生によるこの生命の姿を大いなる神と結びつけ崇めて来たのです。また、生命の樹の樹液は、死者に永遠の生命をもたらす霊薬としてエジプトだけでなく、インドの聖典ウパニッシャドでも、“この豊潤なる樹木から抽出される樹液こそは、不老不死の霊薬であり、至福を得るための妙薬とされ、神々からいのちの水「アムリタ」「ソーマ」として重宝がられてきた”とあります。
STORY5.
インド 脊椎の樹 クンダリーニ
インドのヨーガでは、人間の身体にある軸・脊柱を中心軸として捉え、その中心を上昇する生命カ・性エネルギーは蛇の力(クンダリーニ)として描かれています。この脊椎の樹の根もとに眠る力を覚醒させることで、私達は超越的な生命の飛躍を成し遂げ、その樹を上昇することで霊魂と肉体は至福の内に統合されていきます。そのプロセスでは、様々な霊的な中枢(チャクラ)を通過しながら、最後には頭頂部にある千の花弁を持つ蓮の花で顕わされる最高位の中枢(サハスラーラ・チャクラ)を花開かせていきます。これは、ヨーガの伝統的な霊的修行であり、意識の変容と生命のダイナミズムを顕わすものといえるでしょう。絵画などでは、この変容のプロセスを美しい樹木と神々によって表現させ、精神と事象との結合を象徴するラーダとクリッシュナによって数多く描かれてきました。
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